らくがきバーキンさん その四

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     4個のエルメス/バーキンを預かり、制作中のことである。さらに追加で3個到着。結果、商店街のガラス張りの事務所には7個のオレンジ色の箱が詰み上がり、表から丸見えでおばさんとかが何やら話しながら覗き込むに至って、なんとも落ち着かない状況。盗まれでもしたらエラいこっちゃと言う訳で、ちょっと出掛けるのも気になる始末。結局自宅に移動して保管することに。前半4個は男性向けの大きさで男好きする絵柄を提案したが、追加分は全て30サイズの女性向け。色はライトブルーに燃える様な朱赤、それに純白の三色。どれも気を使うが、特に白は、当然白手袋着用で事にあたるが肝要也だ。



     さて、絵柄だ。やっぱ3つまとまると3部作にしたくなるね。それにどれも尋常でない気品が漂うので、毛皮がお似合いだろうと判断。しかも大型猫族のチーターとヒョウとユキヒョウの毛皮が素敵だぞ。どれも毛皮を狙った密猟で絶滅が危惧される種なので、可能な限り本物っぽく仕上げれば、ぼくは野生動物への深い愛を表現できるし、手描きのこれを持つ人にもきっと胸を張って頂けるはず。



     そのまま地色を残す部分は全てきっちりマスキングして、脱脂したらそのままゴー。口径0.2ミリのイワタエアブラシをひたすら動かし、無数の毛を描くのみ。ニードルをむき出しにして、画面すれすれに動かすので、バッグ表面を傷つけないように注意。チーターとヒョウはアフリカに生息するので、毛は短め、ユキヒョウは雪に覆われるアジアの山岳地帯の動物なので、他に比べて体毛は長く密集しているのも意識しないとね。



     赤のチーターとブルーのユキヒョウは前後のパネルとフタ。白は、ちょっと変化させてフタと両サイドと底に柄を入れ、さらにキーホルダーと南京錠にも毛皮を描いて、都合7人のバーキンさんペイント完了。無事納品してアトリエはまた通常通りでひとまずやれやれ。

    らくがきバーキンさん その三

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       ライトブルー、カフェオレ色、ミッドナイトブルーと来て4人目のバーキンさんはブラウン。今度は、バッグ自体を何か生物に見立てて、内部が見えている様なイメージでいく。今までもいくつかの作品で使って来たイメージなので、構成は迷わないんだけど、マスキングをしっかりしなくてはならないのに、相手が柔らかい皮なのが難題。マスキングテープもすぐに浮いてしまうためシャープなラインを出すのが超難しいのだ。ましてやカッターを使うなんて考えるだけでもぞっとするしね。結局型紙を切って、スプレーのりである程度固定して、浮き上がるのを手で押さえながら吹付けた。



       力強さは欲しいけど、怖さキモサが前に出過ぎないように描き込み過ぎには注意。技は見せない技で寸止めるべし。
      柄もデカイし前後のパネルいっぱいに入ったし、結構ぎりぎりでしょ。と思いながらマスキングを取って眺めてみると、色味が少ないからか、どうも物足りない気に入らない。しかし、変に鮮やかな色を入れると安っぽくなってしまう可能性大…どうしたもんか考えようとちょこっと横になったらそのまま爆睡。しかし翌朝目覚めたら全く悩まず「ま、こうするだな」という感じで即断するんだから睡眠は大事だね。側面にも柄を入れた上に、金箔でアクセントを付ける作戦だ。国産の本金箔なら安っぽさは無いし、金属色は渋さをキープしたまま色味を加える事ができるのだもん。接着にはエポキシが吉で無事完成は、題して『Body』これでバーキン4個無事完了〜!…なのにつづく


      らくがきバーキンさん その二

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         バーキン/ライトブルーの次はコーヒー牛乳、いやカフェオレみたいな色の大きなバーキン。しかし、ポンと置いてしゃんと立つのにこのしなやかな皮はどうよ。皮だけではないぞ。この縫製仕立ての良さには本当に驚かされる。ペイントするにあたっては、構造をよく観察するのだが、表も中も底もハンドルも金具の取り付けもステッチも一部の隙もなく完璧。100万円を軽く超える価格は確かに高額だけど、じっくり観察すると手のかかり具合にはさらに驚愕する訳です。中途半端じゃないってすごいのだ。究極の職人魂を見せつけられたら、こちらも真剣になる。だけどもあまりに真面目で固くなっては、面白みと言う物が無いから、真剣に適当な事をやる姿勢をキープしないとね。



         …と言う訳でこのフランスの職人魂を眺めるうちに、2頭のお馬さんがひひーんと立ち上がる姿が見えて来た。しかし並べてみると、ちと固いのでファイヤーも燃やして元気な感じを加えよう。これに関して難しいのはこの色。こういう上品な色は、自分ではまず選ばないから迷いが生じる。ま、こういう場合はやはり上品な印象を生かして同系色で渋くまとめる方向が吉だな…だけどやってみたら思ったよりちょっと締まらない感じで、一日考えて、サイドパネルを馬と同じエスプレッソブラウンに塗ることで決着でバッチリ”HORSE”。



         そして次は、一見黒に見えるほど濃いミッドナイトブルー。こちらは思い切ってヨゴシ感覚でラフに仕上げたくなっちゃうね。しかし相手がバーキンとなると緊張感はマキシマム。最初のSkull Heartのようなのは描写力が問われる訳だけれども丁寧にやればリスクは少ない。しかしスプレー缶でババっとヨゴスのは、言わば度胸一発。偶然の幸運を引き寄せるイチカバチカのロシアンルーレット。後は何が起きても大抵リカバリーしてきたじゃないかという自信が、不安だけどちょっと味方(^_^;)…そんなこんなで、タイトルは"Pleasure"として無事着地成功。 つづく

        らくがきバーキンさん

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           夏の終わりのある日、アトリエにオレンジ色の箱が4個届いた。フタのど真ん中に焦げ茶色で馬車のマークと丸にHの文字…小市民のぼくは、これを見ただけでなんだか萎縮した気分になってしまうだす。

           一旦フタを取ってから、いやちょっと待てとばかりにまた戻し、あたふたと新品の白手袋をはめて見たりして。中にはいい感じの白い紙で覆われた茶系のヘリンボーン柄の巾着布袋(ホテイにあらず布の袋です)。クッションを退けてそれをうやうやしく取り出し口を開くと中から出て来るのはジェーン・バーキンの名前をいただいたあのバッグ様4個です。うわぁピカピカの新品だやっぱり。



           ええええ〜い!何をビビっているのだおれは。これからこれにらくがきするっつうのに、ビビってどうする…まずはベルト付近をカバーしているフェルトを取りさる。留め金を外して、ベルトを抜いて側面が真っ平らになるように広げれば、だんだん強気になって来る。内寸を計って段ボールをカットして中にぴったり収まる箱を作って傷防止にプチプチでくるんだら、ちょっと強引に押し込む。けど頑丈だから大丈夫たぶん。そして金具とハンドルをカバーしたら準備完了だ。



           まずは、ライトブルーの35サイズから。骸骨を2個合わせて♡に配置する趣向。塗料は染めQを使用。染めQクリーナーをウエスに含ませ、ゴシゴシ拭いて脱脂。シルエットの型紙を作って押しあてたら、缶スプレーで染めQ『ギンギラギン』を薄く3回吹付ける。



           ゲルチョップにもらったFRP製骸骨を片手にもって眺めつつ、黒をセットしたエアブラシで一発勝負のフリーハンドだ。裏側にも正面の骸骨を一個入れたいね。紙を抜いて作ったメッセージのステンシルをあてて、染めQ『きんきらきん』を吹付ける…途中何度も水で濡らした布で、定着していないミストは全部拭き取る。乾燥したら、思い切ってマスキングテープを貼り付けて、一気に剥がせば密着不良箇所が一発で見つかるね。不良修正が無ければSKULL HEARTの完成と相成ります。まずは、よかったピース。つづく


          もうひとつの木目

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             気がつけばはや11月寒い。くらしな手帖も月刊的ではありますが勇気を持って大更新。

             さかのぼりまして、8月。8月と言えば、暑い最中に信州諏訪でスワンボートを合宿ペイントしていたのが、つい昨日のようだが、実は行ったり来たりの合間に自宅アトリエで制作していたのが、ソフトクリームサインだ。そしてこちらも木目。同時期に違う物を木目ていたのがバレてしまうねあはは。でも実はこちらが先に木目ることが決まっていたのです。



             こちらのソフトクリームは鹿児島のカフェトレデゥノからのオーダー。4年前、屋上ガーデンテラスの棟やのモルタル壁を現地制作で全面芝生くんにさせてもらった思い出の店。ああ、シャレにならない大雨と桜島の噴火で絵に火山灰が積もったのも懐かしい。



            さて、こちらの木目は3色塗り分けてとろりと垂れて頂く趣向。と同時に電飾看板なので、点灯したときのスケ感もキャンディー色で効果を狙った。形状的にちょっと間違えるとアレなので、途中茶系で塗っているときは一抹の不安がよぎらないではなかったけどもね(笑)上部のラズベリー色や白抜きの文字に青でシャドウを入れる事によって、つめたさとかわいらしさで楽しげになったと自負しております。また行きたいな鹿児島。


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