らくがきバーキンさん その二

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     バーキン/ライトブルーの次はコーヒー牛乳、いやカフェオレみたいな色の大きなバーキン。しかし、ポンと置いてしゃんと立つのにこのしなやかな皮はどうよ。皮だけではないぞ。この縫製仕立ての良さには本当に驚かされる。ペイントするにあたっては、構造をよく観察するのだが、表も中も底もハンドルも金具の取り付けもステッチも一部の隙もなく完璧。100万円を軽く超える価格は確かに高額だけど、じっくり観察すると手のかかり具合にはさらに驚愕する訳です。中途半端じゃないってすごいのだ。究極の職人魂を見せつけられたら、こちらも真剣になる。だけどもあまりに真面目で固くなっては、面白みと言う物が無いから、真剣に適当な事をやる姿勢をキープしないとね。



     …と言う訳でこのフランスの職人魂を眺めるうちに、2頭のお馬さんがひひーんと立ち上がる姿が見えて来た。しかし並べてみると、ちと固いのでファイヤーも燃やして元気な感じを加えよう。これに関して難しいのはこの色。こういう上品な色は、自分ではまず選ばないから迷いが生じる。ま、こういう場合はやはり上品な印象を生かして同系色で渋くまとめる方向が吉だな…だけどやってみたら思ったよりちょっと締まらない感じで、一日考えて、サイドパネルを馬と同じエスプレッソブラウンに塗ることで決着でバッチリ”HORSE”。



     そして次は、一見黒に見えるほど濃いミッドナイトブルー。こちらは思い切ってヨゴシ感覚でラフに仕上げたくなっちゃうね。しかし相手がバーキンとなると緊張感はマキシマム。最初のSkull Heartのようなのは描写力が問われる訳だけれども丁寧にやればリスクは少ない。しかしスプレー缶でババっとヨゴスのは、言わば度胸一発。偶然の幸運を引き寄せるイチカバチカのロシアンルーレット。後は何が起きても大抵リカバリーしてきたじゃないかという自信が、不安だけどちょっと味方(^_^;)…そんなこんなで、タイトルは"Pleasure"として無事着地成功。 つづく

    らくがきバーキンさん

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       夏の終わりのある日、アトリエにオレンジ色の箱が4個届いた。フタのど真ん中に焦げ茶色で馬車のマークと丸にHの文字…小市民のぼくは、これを見ただけでなんだか萎縮した気分になってしまうだす。

       一旦フタを取ってから、いやちょっと待てとばかりにまた戻し、あたふたと新品の白手袋をはめて見たりして。中にはいい感じの白い紙で覆われた茶系のヘリンボーン柄の巾着布袋(ホテイにあらず布の袋です)。クッションを退けてそれをうやうやしく取り出し口を開くと中から出て来るのはジェーン・バーキンの名前をいただいたあのバッグ様4個です。うわぁピカピカの新品だやっぱり。



       ええええ〜い!何をビビっているのだおれは。これからこれにらくがきするっつうのに、ビビってどうする…まずはベルト付近をカバーしているフェルトを取りさる。留め金を外して、ベルトを抜いて側面が真っ平らになるように広げれば、だんだん強気になって来る。内寸を計って段ボールをカットして中にぴったり収まる箱を作って傷防止にプチプチでくるんだら、ちょっと強引に押し込む。けど頑丈だから大丈夫たぶん。そして金具とハンドルをカバーしたら準備完了だ。



       まずは、ライトブルーの35サイズから。骸骨を2個合わせて♡に配置する趣向。塗料は染めQを使用。染めQクリーナーをウエスに含ませ、ゴシゴシ拭いて脱脂。シルエットの型紙を作って押しあてたら、缶スプレーで染めQ『ギンギラギン』を薄く3回吹付ける。



       ゲルチョップにもらったFRP製骸骨を片手にもって眺めつつ、黒をセットしたエアブラシで一発勝負のフリーハンドだ。裏側にも正面の骸骨を一個入れたいね。紙を抜いて作ったメッセージのステンシルをあてて、染めQ『きんきらきん』を吹付ける…途中何度も水で濡らした布で、定着していないミストは全部拭き取る。乾燥したら、思い切ってマスキングテープを貼り付けて、一気に剥がせば密着不良箇所が一発で見つかるね。不良修正が無ければSKULL HEARTの完成と相成ります。まずは、よかったピース。つづく


      もうひとつの木目

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         気がつけばはや11月寒い。くらしな手帖も月刊的ではありますが勇気を持って大更新。

         さかのぼりまして、8月。8月と言えば、暑い最中に信州諏訪でスワンボートを合宿ペイントしていたのが、つい昨日のようだが、実は行ったり来たりの合間に自宅アトリエで制作していたのが、ソフトクリームサインだ。そしてこちらも木目。同時期に違う物を木目ていたのがバレてしまうねあはは。でも実はこちらが先に木目ることが決まっていたのです。



         こちらのソフトクリームは鹿児島のカフェトレデゥノからのオーダー。4年前、屋上ガーデンテラスの棟やのモルタル壁を現地制作で全面芝生くんにさせてもらった思い出の店。ああ、シャレにならない大雨と桜島の噴火で絵に火山灰が積もったのも懐かしい。



        さて、こちらの木目は3色塗り分けてとろりと垂れて頂く趣向。と同時に電飾看板なので、点灯したときのスケ感もキャンディー色で効果を狙った。形状的にちょっと間違えるとアレなので、途中茶系で塗っているときは一抹の不安がよぎらないではなかったけどもね(笑)上部のラズベリー色や白抜きの文字に青でシャドウを入れる事によって、つめたさとかわいらしさで楽しげになったと自負しております。また行きたいな鹿児島。


        たたずまい

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           パートごとに仕上げていると、これが何なのか忘れてしまいそうだが、照明器具です。一度ばらすと完成まで組み直す事は滅多にないが、常に意識するのは完成し組み上がった時のたたずまいであります。

           本が積み上がる台座はクロームメッキのスチール製。本同様に葉っぱで埋め尽くすのは同じ。メッキ製品はとにかく指紋が残りやすいので、慎重に拭き上げてよ〜く確認したらミッチャクロンマルチをひとかけして真っ先にクリアで覆ってしまう。ミッチャクロンはその名の通り塗料をしっかり密着させるプライマー。無色透明なのでメッキの輝きや写り込みを生かす事が出来る訳です。クリアが硬化したら表面を耐水ペーパー#1000くらいで研いで荒らす。その後綺麗に拭き上げてから葉っぱのマスキングを貼って…後は本と同じにシャドウを付け着色してクリアコートだ。本の表面は艶消しだったけど、台座は光沢仕上げ。艶消しは反射しないので色や形に比重を置く場合に効果的。一方光沢仕上げは面ごとに反射するので、角がピシッと見えて固い印象になる。色柄を統一する代わりに、質感の違いで変化を付ける作戦なり。故に台座天面は特に念入りに鏡面磨きも重要事項です。



           さて最後は笠=ランプシェード。表面はカーテンのように波打つ布地だが、内側は白いプラスチック板。これに黒で柄をいれると、点灯時に柄が浮き出るに違いないなぁ…それ楽しそうだし雰囲気いいでしょ。柄は意地でも葉っぱっぱ。マスキングを約300枚ほど用意してばらつきを見ながら張り込む。黒で隙間を塗りつぶしたら、マスキングを取って艶消しクリア仕上げだ。



           さあ、すべてのマスキングを外して慎重に組み上げたら完成。ソケットもバラして組み立てたので、再度点灯するか確認も忘れずに。これにてBook of Look『森の女王』完成です。


          書名箔押し

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             切羽詰まって思いついたカメレオン画法。ギラギラテカテカも名残惜しいがこの後の行程を考えて、塗り分けによる段差は研ぎまくって完全に平滑にし、反射抑えるべく仕上げは全艶消しのクリア塗装だ。



             実は葉っぱっぱの最中、友人のデザイナー2人が14冊の書名リストの背表紙をデザインしてくれていた。出来上がったデザインはぼくの適当なイメージを笑い飛ばす様な初版並の風格ある背表紙で満足2乗。高橋くん三森くんありがと。しかし、小さなブラック書体やロシア語など、どう考えても手切りで切るレベルでは無ぁいね。

             こういうときは、スーパーカッティングマン=ジョニーKにマスキングにする旨説明してオーダーだ。マシーンカットとはいえ、文字や細いケイ線のカッティングの文字はピンセットで手作業の超絶スペシャルワーク。しかし何の意地か、この男この複雑な文字列をなんと数時間で上げて来る素早さで対応してくれた。しかし完成品は各一枚。絶対に貼り直しや失敗は出来ない…

             貼る?何を?金箔です。しかも艶消しで仕上げの本に、むき出しコーティング無しで定着させて金箔本来の質感を見ていただきたい。…うううむ思いつくけど自身が無い。そこで金箔貼りは、またまた友人を頼って中央高速ひとっ走り、信州塩尻の坂井くんちへ。


             
             さあ、金箔工房に来たぞ!早速ぼくは背表紙にジョニー製カッティングシートを貼って渡す。彼は難しいとかいいながら鮮やかな手つきで、接着剤を塗り、頃合いを見計らって金箔を置く…そう置くだけ。するとすっと吸い付くように勝手に金箔がなじんで行く。さらに狸毛の刷毛でちょいちょいと押さえて真綿で軽くはらえば完了。



            シートを恐る恐る剥がすと0.3ミリ以下のケイ線の溝までばっちりきっちりで、思わずいちいち「おおおおお!」とか感嘆しちゃうね。よどみない仕事!早い!美しい!できちゃった…嗚呼、結局遅いのはぼくだボヨヨン。

             さあ、本は出来た。後はメッキの台座とランプシェードです。つづく


            カメレオンアーミー

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               森の女王の異名を取るブナの葉っぱ。切って貼った葉っぱのマスキングは本2山分で約1200枚。葉っぱ型マスキングテープを貼り終えたらまずは、全体を真っ黒に塗りつぶす。続いて重なりに注意しつつ葉っぱ一枚剥がしてこれにシャドウを描き葉脈を描き入れる。これを1200回繰り返すと全体が葉っぱで覆われる。しかし問題はどうやって葉っぱを3色で塗り分けるかってことだ。



              単純な方法としては、すべての葉っぱを描いてから色ごとに再度マスキングをして塗り分けるやり方がある。が、それはすなわち複雑に入り組む立体の上に描いた葉っぱに沿ってカッターでトレースしなければならないということだ…無理だなぁ。老眼だし。第一いやだ。そしてふと思いついた方法が、キャンディー色の塗り重ねだ。キャンディー色はカラーのクリアだから下の柄が透けて見えるし、下の色に重ねる事によって色が変化する性質がある。つまり、うまくやれば3色を重ねて塗ることで、混色した状況を作れるはずじゃぁないか?!



              早速4割程度剥がし描き終えたところで、1色目のマゼンタキャンディーをかけると全体がピンク色。次に3割強進んで2色目のシアンブルーに近いキャンディー色を重ねて吹付ける。すると全体の色が見る見る変化。最初のマゼンタにブルーがのった部分はマリンブルーに。青だけのところは鮮やかな青色になって、2色分けに成功。



              そして残る葉っぱを描き終えたところで、やや緑がかったライムイエローキャンディーを全体に重ねるとイメージ通りオリーブグリーンと鮮やかな緑、それに明るいライムグリーンの3色に変化するカメレオンアーミー。えっへんどーんなもんだい!…でもね実はこれが再トライ。一回目は色がうまくいかなくて、全部研ぎ落として下地からやり直したというのは内緒でよろしく(^~^;)つづく


              森の女王

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                葉っぱの代表作といえば勝どき@btfの壁であります。

                 葉っぱでいこう!と決めてはみたが、さて何の葉っぱだ?良く描くのは、クヌギの葉っぱが多いんだけど、これはカブトムシ小僧としてやっぱね。しかし今回は何か違う葉っぱにしたい。あれこれ考えていると、植物好きのかみさんが「ブナにせよ」という。…えっブナね。木は分かるけどブナってどんな葉っぱだったかなと本棚から引っ張り出したのは『葉で見分ける樹木』。これは全ページスキャンした樹木の葉っぱという便利本。で、ブナの項を見れば縁が波形になてって個性的でナイス葉っぱ。さらに解説を読むと『ブナはその美しい木肌から森の女王と呼ばれ…』と描いてあるぞ。『森の女王』はいいね!これは女性の部屋に収まる予定であるから、まさに今回のテーマにぴったりだ。と言うような流れで、Book of Lookは森の女王、ブナの葉っぱで埋め尽くす事に決定と相成った。



                 さて決めたはいいが、葉っぱで埋め尽くすにはどうするか。複雑に入り組む本やメッキの台座にマスキングテープを貼り込んで下絵を描いてカッターで切るか。そんな事したらそれだけで一ヶ月かかるね。ではどうするかと言うと、私の20年に及ばんとするカスタム人生の中で編み出した秘策は『マスキングテープを葉っぱ型に沢山切って貼り込む』だ。これを剥がす度にエアブラシでシュシュッと影を入れることによって、折り重なる葉っぱを自在に表現出来るのです。はいメモってねあはは。なぁんだ単純じゃん。でもやっぱり大変。あくまで比較すれば早いと言うだけですね。

                 過去における最大の『葉っぱ大作戦』は勝どきの@btfだな。なんつっても壁全面だからね。約2週間の制作期間中9割は葉っぱ切って貼ってたからね。おおっそうだ!現在超大御所の方たちがまさに奇跡の再結集!『愛、そして愛、奇跡のサイレンサー展』開催中だし、ちょっと3Aフロアを覗けば常設のD.I.Y. DEPT.とともに是非ご覧いただけますアレを。よろしく。

                 アレよりはマシ。しかし今回は迷彩風に塗り分けるという新課題を自ら設定したので、そこんところを葉っぱ切っては貼りつつ考える。ひたすら切り貼りするうちにはなんとか思いつくでしょって感じで…つづく




                ハードル設定

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                   最近人に会うと「倉科さん、まだ諏訪でボートペイントしてるんですか?」とか言われちゃう。ああ、そうでした。日々の制作に追われてすっかり『くらしな手帖』をほったらかしにしておりました。確かにスワンボートをやったあたりで体力的に限界だったかも。長く暑い夏にヘトヘトで、昼夜を問わず止めどなく流れる汗を拭い一日5枚もTシャツを着替えながら「ああ、やっぱり歳には勝てません。」とか考えていたのは事実です。が、涼しくなるにつれ体力も復活。なぁんだ、暑さに弱かっただけなのね。

                   くらしな手帖はしばらく休んでいたものの、仕事は休んでおりませんで、証拠写真はごっそり残っているので、振り返りつつ手帖に残すことに致します。



                   さて、現在グラマラス森田恭通氏デザインの照明器具『Book of Look』のカスタムペイント進行中。9月頭から制作していて現在8割完了しました。これを女性向けにカスタムペイントの巻です。まず一番最初は物をよくよく眺めて観察想像するところから入ります。次に構造と素材を確認しながら分解。電気器具だし、あまり無茶はしたく無いので、大きなパーツ3つに分解。素材は本の部分がFRP。台座はクロームメッキのスチール。それに布製のランプシェードの内側は白いプラ板という構成。そして愛読書のタイトルを入れて欲しいというのが唯一の希望条件であります。…一瞬現物の本を忠実に描いて、エイジングしてというフツウのイメージが浮かんでしまうが、それは無いねと即脳内消去。本当は最初に『葉っぱ』が、ぱっと浮かんだんだけど、実のところしばらく悩んでおりました。と言うのも葉っぱで埋めるのはすげえ大変だし多分喜んで頂けると思うんだけど、なんかもう一ひねりしたかったんだよね。で、数日考えて描いたスケッチが『迷彩風』だ。しかし葉っぱを迷彩風に塗り分けるのは初。まだどうやったら出来るかわかんないけど、わくわくすれば大丈夫。何でもいいから『初めて』というハードルがあると俄然やる気がでちゃうのですぼくおほほ。つづく


                  しばしの別れマイスワンボート

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                    本日も晴天なりの諏訪3日目。。スワンは頭部に関して木目描きをなんとか終了、屋根に取りかかったものの、どうしても一旦東京に戻らねばならず、腹もペコちゃんなので、あたりを付けて22時で終了。完成までにあと5日は作業したい感じだな。マイスワンちゃんには、近日再会する事にして中央高速で帰路へ。ちかれた。


                    ぎらぎらとぎとぎ

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                       諏訪滞在2日目。初日の遅れを取り戻すべく本日は朝から研ぎまくり。お陰で右手の指紋は完全に消滅し、指の皮が薄くてひりひりする始末。しかし、製作場所にお借りしている倉庫はとんでもなく広い。計ってみると間口65m、奥行き40m、アーチ型の天井は10以上だ。日中はお日様が恨めしいほど照りつけて、暑いが日陰は風通しも良くカラッとしているからやっぱり信州は過ごしやすいのだ。



                      水道の水もずっと手を入れているのは厳しいほど低温。本日友人よりスイカの差し入れがあったので、研ぎ上がったスワンボートの船底にに水を張って冷やしてみたりして。



                      夕方7時頃ふと見上げた夕焼け空に、思わずシャッターを押す。スジ状に並んだ雲が太くまっすぐなラインで抜けている不思議な現象だ。



                      夜9時近くなってようやくエアブラシを手にスプレーワークスタート。諏訪と言えば御柱祭りが有名でしょ。という理由が成立しなくも無いから、ぼくのは木彫りのスワンに決定。うう明日一日でどこまでいけるかしら。

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